保育士になるためには、国家資格の保育士資格が必要です。短期大学や大学、専門学校を卒業すると保育士試験を受験しなくても保育士になることができます。そして、学校でのカリキュラムに必ずあるのが『保育園実習』『幼稚園実習』『施設実習』です。実習は、保育士として子どもと関わり、保育の現場で実際に保育士の仕事を体験して行われます。子どもたちと接する機会は非常に貴重ですし、現役の先生方から学ぶことも多いでしょう。日常の学生生活とは異なり、実習とは言え責任を持って子どもたちと過ごし、一緒に遊んだり走り回るなど体力も使います。慣れない生活に疲労も感じますし、帰宅後は実習についての日誌の記入などもあり、忙しく大変な毎日になりますが、子どもたちに「〇〇先生~!」と名前を覚えてもらったり、一緒に過ごして懐かれると、保育の楽しさややりがいを感じることができるでしょう。実習の中では、自分が頭の中で思い描いていた通りに進まないこともたくさんあります。泣いている子どもをなだめようとして、余計に泣かれることもありますし、絵本の読み聞かせで走り回る子どももいるかもしれません。上手く進まなくて当たり前だということを実感できる機会になるでしょう。そんなとき、保育士はどんな対応をしたら良いのか、先輩保育士の様子を見たり相談したりして、習得できることは多くあります。「失敗したらどうしよう」という思いは、多かれ少なかれ誰しもが持っていることです。限られた実習の中では失敗することを恐れずに、楽しんで保育の現場にチャレンジしてください。無難に過ごして注意を受けないようにするよりも、実習だからこそたくさんの指導やダメ出しをもらったほうが良いのです。実習生の存在は、現役の保育士さんにとっても良い刺激になるでしょう。また、子どもたちにとっても、「いつもと違うことをしてくれる先生」「面白い先生」と良い刺激になります。思い切りが大切ですね。施設実習は保育園や幼稚園のほかに、『児童養護施設』『身体障害児・身体障害者施設』『知的障害児・知的障害者施設』などでも行われます。実習は、初めは辛いと感じることもあるかもしれませんが、最後には子どもたちとの別れがつらいと感じるほど馴染めるものです。
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