かつて保育士は『保母さん』と呼ばれる女性の仕事でした。『母』という字が入っている通り、母性を求められる職業だったと言えますね。現在では『保育士』と名前を変えて、男性の活躍も期待される業種となりました。最近では、大学や短期大学の保育科でも約1割が男性となっており、保育士希望者の中に男性がいることに違和感がなくなってきました。保育士の仕事は、「子どもと楽しく遊ぶ」「歌を歌ったり踊ったりする」などのラクで楽しいイメージがあるかもしれませんが、全くそんなことはありません。体力と知識と忍耐が必要な職業だと言えますね。ですから、男性保育士が必要な場面も多く、男性と女性それぞれの役割があります。男性保育士は女性に比べて体力がありますので、子どもたちとの遊びもダイナミックで大胆なことができます。体力的にも体格的にも女性には無理なことを、男性保育士にできることがあるということです。また、運動会や、年中や年長の男の子の相手などは、男性保育士に向いていると言えますね。女性保育士は、細かなことに気付いたり、ピアノや歌、子どもに優しく接する場面などでは安心感を与えることができますね。0歳~3歳くらいまでの小さな女の子に接するのは、女性保育士のほうがスムーズな傾向にあります。もちろん男性保育士でもだんだん慣れてくれば問題はありませんが、一般的に小さな乳幼児は女性が接することを好むことが多いようです。ほかにも、保育士の仕事には行事や様々な場面で力仕事が多くあります。男性保育士がいることで、それまで重労働だったことが軽減されるかもしれませんね。また、不思議なもので女性だけの職場よりも、男女が混合でいる職場のほうが人間関係がスムーズになるというデータもあります。保育士という職業に男性が参加できるようになったことが、大人の事情だけでなく、子どもにとっても良い環境になるような形で反映しなければいけませんね。
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